2008年10月23日木曜日

ラフマニノフ作品の特徴

作品番号で45の作品が残されているが、そのうちの作品39までがロシア革命(1917年)前に書かれている。出国後のアメリカ時代は生活の糧としてのピアニストの活動が多忙であったことなどにより、その後完成された作品は僅かに6作品に過ぎない。ラフマニノフの総ての作品は調性を持つ伝統的な書法の範囲内で書かれており、ロマン派的な語法から大きく外れることはなかった。この姿勢は1920年代以降の作品についても保たれた。

完成された作品として3曲の交響曲、4曲のピアノ協奏曲、2曲のピアノソナタを含む多数のピアノ曲、管弦楽曲、合唱曲、歌曲、歌劇がある。また歌劇は16曲も作曲したが、そのうちの3曲のみが知られており、残りの13曲は構想や未完に終わっている。

作品の調性としては短調が圧倒的に多く、特にニ短調はラフマニノフの好んだ調性である。また、ピアノの和音には、随所に鐘の響きが秘められている。彼の様々な作品に、賛美歌『怒りの日』(Dies Irae)が好んで用いられている。

ピアノ曲は、自身が優れたピアニストであったこともあり、演奏効果の高い、優れた作品が多い。ロマン派的な意味での「歌う楽器」としてのピアノ書法の完成者ということができる。ただし作曲者は卓越した技巧と大きな手を持っていたため、一般の弾き手にとっては困難な運指や和音が多く存在する。協奏曲の第2番と第3番は演奏される機会も多く、この分野での重要なレパートリーである。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

0 件のコメント: